
した。
中学部に入ってからは、息子は独りで行動し、用事があるときだけ私が学校へ出かけて行きました。学校で親同志が話合いをすることで、何より慰められました。家にいるとき、暇なときは、「何故私だけが」とか、「何か原因があるのでは」などと考え、自分で自分を傷つけてばかりいました。
中学部に入ってからは自立心が旺盛になって、運動も勉強もよくやり、口話も上達し、筆談もしなくなりました。そのころは、口話教育で手話は禁じられておりました。
心身ともに一番変わりやすい中学部も、大過なく卒業し、高等部へのテストも無事に通過し進学させていただきました。
クラブ活動もよくやり、帰る時間も遅く、心配したこともときどきありました。この時期に、口話から手話教育に変わり大変な様子でした。しかし、今までより楽しそうに行動しているので、「本当に何よりだ」と喜んでいました。自信がついたのか高等部も無事に卒業し、いよいよ社会人になりました。
紳士服仕立の店に就職しましたが、一年半位のとき不景気で退職し、現在の印刷会社に入社しました。その間に運転免許をストレートに取得しました。これも学校の先生方のお陰と感謝しています。大谷印刷会社に入社以来、社長さんをはじめ皆さまにお世話になっています。お陰さまで、一人前の印刷工になり主任をさせてもらっています。昨年の十月中旬、NHKの「会社紹介」
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